夕刻、太陽は毎日沈む。
毒々しい真っ赤な夕焼けもあれば、グレナデンソーダのように爽やかな夕焼けもある。
夕焼けは、どうしてこんなにも人を恍惚とさせるのか。
一日の中で最も好きな時間は夕暮れ時だと思う。いつまでも夕焼けの中に染まっていたいと思うのだが、刻々と太陽は地平線へと沈み、一秒も待ってはくれない。夕暮れ時は、時間が進むのが早い。
太陽は地平線へと沈むといったが、それは地球から私達がそう見ているに過ぎない。本当は、太陽はどこにも沈まない。すべての世界は見たいように見ているに過ぎない。
学生時代の友人と4年ぶりに会った。なんら変わっていなかった。
のっぺりとした眉も、早口で追い立てるような話し方も。終始取り繕うように話していたのが印象的で、何かに付けては「自分のためだから」と言っていた。そう言い聞かせないとやっていけないほどに大変なのかもしれない。
待ち合わせをした時、友人は「大丈夫?元気にしてた?」と少し大げさに満面の笑みで私に言った。そう言ったのは、きっと友人自身が大丈夫な状態ではなく、元気ではなかったからだろう。
私達は当たり障りない会話をし、何事もなかったかのようにその場をあとにした。