トースターは持っていないと言うと、たいていパン好きの友人には驚かれる。
「じゃあどうやってパンを焼くの?」とか、「パン、焼かないの?」などと責められることも往々にしてある。
フライパンでパンを焼くのが好きなのだというと、「なんでなの?」とか「そんなの面倒じゃない。ありえない!」なんて言われるのが落ちだ。
パンを食べるのはたまに程度であるからかもしれないが、フライパンで片面ずつ目を離さずにじっくり焼くのが好きなのだ。
初めてパンをフライパンで焼いた時、その美味しさに感動した。以来、パンはフライパンで焼くことにしている。極表面だけうっすらと焦がした食パンは、中はしっとり柔らかい。
夕方、よく行くお弁当屋さんで朝食用に小さめのバナナブレッドを1斤買った。
パンを買って次の日の朝に食べるのを待つ。パンを買うだけで翌朝起きるのが楽しみになるのだから不思議だ。
パンは頻繁には食べないので、たまに買うパンは少しだけ贅沢をしている。
本当は毎日でもパンを食べたいが、少しの贅沢はたまにあるくらいがちょうどいい。むしろ、たまにあるからこそ贅沢というのかもしれない。