春先に買ったドラセナの切り枝からは、根が絡まるほどに伸びている。
どうしようもなく不公平で許しがたいことがあった時、その痛みを何人かで分け合った。一晩寝てしまえば、遠い記憶のようにその事柄とは距離が置かれる。忘れゆくものなんて、初めからどうでもいいことだったのかもしれない。
「理由なんてあってないようなもので、いまこんなにも理由が言えるのは、本当は理由なんてないからなんだよな。」というセリフを、いつかのテレビドラマで誰かが言っていた。
目の前で起こることのほとんどが、本当は自分にとってはどうでもいいことで、世界は今日も勝手に動いている。