曇りの夜は暖かい

兎にも角にも朝が来たら起きなければいけない。

世界はひとつで

どこまでも青く果てのない空を仰ぎ見ると、世界は一つであるはずなのにどこまでも私たちは一つにはなれないのだということを途方もなく実感する。

 

花屋でこの前買ったモミの木は浄化作用があるという。花瓶に入れた水が数日立っても透き通っている。こんなにも綺麗なものを見ていると、すべてはどうでもいいことなのかもしれないとも思い初めてくる。人はどうしてか、美しいものを見ている時に悪いことを考えたりはしないものだ。

 

まだティーンエージャーの頃、どうしたって辛いときは冬の日でも窓を開けて冷たい風に当たっていた。ただ、冷たいということを感じるのだ。そうしていると、それ以上のことはなにも考えなくてすんだ。ふと、そんなことをしていたなと思い出した。

 

急に寒くなったと思いニットを着ると、ニットなんて着ていられないほどの暑い日が続き、春のような冬の年だと思う。グリーンのニットワンピースとエメラルドグリーンのニットで、同じ色で被ったねと上司と笑い合った。そんな日でいいから、そういう日がいつまでも続けばいいのにと願う。ただそれだけの願いなのに。