マンションの共通階段には、相変わらず見たこともないような虫の死骸が転がっている。何日目かの蝉は、影でじっと羽を休めている。死を待っているのだろうか。それとも、生き延びようとしているのだろうか。
世界はいつでもひとつではなかった。
ルビーレッドとブルーの夕焼けは、まるでサソリがこれが最後だと燃えるようで、美しさの中にも毒々しさがあった。
まだ大丈夫だとあと何回思いながら生きていくのだろう。
マンションの共通階段には、相変わらず見たこともないような虫の死骸が転がっている。何日目かの蝉は、影でじっと羽を休めている。死を待っているのだろうか。それとも、生き延びようとしているのだろうか。
世界はいつでもひとつではなかった。
ルビーレッドとブルーの夕焼けは、まるでサソリがこれが最後だと燃えるようで、美しさの中にも毒々しさがあった。
まだ大丈夫だとあと何回思いながら生きていくのだろう。