曇りの夜は暖かい

兎にも角にも朝が来たら起きなければいけない。

なんでもないひとりごと

マンションの共通階段には、相変わらず見たこともないような虫の死骸が転がっている。何日目かの蝉は、影でじっと羽を休めている。死を待っているのだろうか。それとも、生き延びようとしているのだろうか。

世界はいつでもひとつではなかった。

ルビーレッドとブルーの夕焼けは、まるでサソリがこれが最後だと燃えるようで、美しさの中にも毒々しさがあった。

 

まだ大丈夫だとあと何回思いながら生きていくのだろう。